アスファルト
ひんやりとしたアスファルトに横になりたい―
多数の車が行き交う道路はアスファルトの再舗装も定期的に行われているし、清掃車まで通る。
きれいなもんだ。
硬いけれど、ほんのわずかな弾力性を持って体を支えてくれる。
でも、そんなアスファルトを求めているわけじゃない。
幹線道路から外れ、あまり車が通らない田舎の道にこそ趣がある。
この季節、
横を見れば春を経て芽吹いてきた鮮やかな雑草の萌えるような緑の絨毯があり、
上を見上げれば一面に広がる星空だ。
ただ、こうした道のアスファルトは目が粗い上に、小石や塵まで落ちていて、
横になったら後頭部に切り傷を負ってしまいそうだ。
でも、それでも体を横たえてみたい。頭の後ろで手を組んで。
ひんやりとしたアスファルトの感触とともに、体を襲う痛さという名の刺激。
そして・・・、
現実を忘れさせてしまう程に、その情景は想像力を喚起する。