俺は写真を撮られるのが好きなんだけど、どうしても写真を撮られる時にはそれを強く意識してしまう。
言い換えれば、レンズの前で格好付けてしまう。
だから結果として出来上がった写真は「写真を撮られている人」っていう印象の強いものになる。
ちょっとうまく表現できないんだけど、観光地でVサインをして映る風景から浮いた異邦人、つまり典型的日本人の写真そものだと言ったら、ニュアンスは伝わるかな?


そういう訳で、ちょこっとモデル業に興味と憧れを持ってたんだけど、おそらく俺にはモデルの才能はないんだろうなぁと思ってしまった。


じゃぁ、どういう人がモデルにむいてるんだろうと思った時に、大学時代の友人を思い出した。
彼は、不思議と写真を撮ると「絵」になる男だった。
それほど多く彼の写真を見たわけではないけれど、大部分の写真において彼は自然体で、風景からも乖離せず、それでいて存在感がある。
こういうのがモデル向きの人が持つ才能なんだろうなぁと、そんなことを仕事帰りに車を運転しながら考えていた。